まず、香港に滞在するために被扶養者の方が取得すべきビザについて基本的な情報を述べます。被扶養者の方が持つビザの種類はその家族関係に応じて異なりますが、香港でスポンサーの方の扶養を受けながら滞在する場合、家族ビザ(Dependant Visa)の取得をしている方が大半を占めています。このビザは、扶養者が香港に合法的な滞在資格を持っている場合に限り、配偶者の方や未成年のお子さん(未婚で18歳未満)、あるいは親御さん(60歳以上)が、扶養者の方とともに香港に長期で滞在するために申請をして取得することができます。
家族ビザを取得するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。まず、香港で労働や長期滞在が可能なビザを持つ家族のサポートを受けることが前提となります。つまり被扶養者の方は、香港で労働、長期滞在が可能なビザを持つ家族の配偶者、子ども、あるいは親である必要があります。また、香港での滞在期間中に財政的なサポートを受けることも条件とされます。これには、扶養者の方が銀行口座の残高を提示するなどして自身の経済的な状況を証明し、被扶養者の方も含めて香港での生活費や医療費などを賄う能力を持っていることを示す必要があります。
さらに、ビザ申請時には、被扶養者の方は申請書(ID 990A, 992A, 995A, 997A or 999A)、パスポート(または香港IDカード)縦5cm × 横4cm の顔写真1枚、家族関係を説明できる公的な証明書を提出する必要があります。扶養者の方は、既に香港で労働が可能なビザがある場合は香港IDカード、香港人の方以外はパスポート、個人の銀行預金残高の証明書、香港内の賃貸契約書の提出をする必要があります。これらの書類は、ビザ申請プロセスの一環として、香港イミグレーションに提出されます。書類の提出には注意が必要であり、不備や不足がある場合は追加の質問や書類の提出を求められる場合もあります。その場合は、ビザの取得が遅れてしまう可能性があります。
家族ビザを取得する際には、通常は香港イミグレーションにオンラインまたは郵送にて書類を提出して申請を行います。申請プロセスは、申請者の個別の状況によって異なりますが、一般的にはビザ申請フォームの記入や必要書類の提出などのステップが含まれます。ビザ申請プロセスは時間がかかることもありますが、専門家などの適切なサポートを受けながら進めることでスムーズに手続きを完了することができます。スムーズに手続きが進んだ場合は通常6週間前後でビザを取得することができます。
家族ビザを取得した場合の権利と義務についても理解しておくことが重要です。家族ビザを持つ被扶養者の方は、香港内での就労の権利を得ることができます。就労に関しては制限がないので自由に働くことができます。家族ビザを持つ子どもたちは、香港の公立学校や私立学校に通う権利を持ちます。また、香港の教育制度の中で様々な教育プログラムに参加する機会も得られます。家族ビザを保持する方は香港の法律や規制を遵守する義務があり、これには、法的な手続きや規則に従うことが含まれます。さらに家族ビザの有効期間や更新の期限を管理し、必要に応じてビザの更新手続きを行う義務があります。ビザの期限が切れた状態で滞在を続けることは違法行為となるのでご注意ください。
以上のように、香港に滞在するための被扶養者の方々が取得すべきビザについて、基本的な情報や申請プロセス、権利と義務などについて解説しました。香港での滞在を希望する被扶養者の方々は、事前にビザの取得条件や手続きについて詳細を把握し、専門家などの適切なサポートを受けながらスムーズにビザ申請を進めることが重要です。